
フォイエルバッハ全集第二巻 船山信一訳 福村出版刊
中期哲学論集
哲学の改革のための予備的提言将来の哲学の根本命題肉体と霊魂、肉と精神の二元論に抗して
「哲学の端初」にかんして - 一八四一年 -
フォイエルバッハは哲学を認識論であると考えており、認識論の基礎は感覚論であると考えている。だから、哲学の端初は対象で言えば個別存在であり、認識で言えばそれを最初に受容する感覚である。哲学史上、哲学は対象を持たない、哲学は存在を対象としない、この点で哲学は経験諸科学と区別される、と考えられていた。哲学はこのような特殊な学問であるために、哲学とは何か、哲学の対象は何か、さらには哲学の端初が何であるかが哲学自身の課題になっていた。フォイエルバッハはこの問題をまったく捕らえておらず、この問題を単純に否定しており、哲学史上の最も重要な課題を回避ないし解消している。フォイエルバッハは哲学の端初について次の様に述べている。
「それ故に、非対象的なものを対象的にし、とらえることができないものをとらえることができるようにすること、すなわち或るものを生活の享受の客体から思想上の事物いいかえれば知の対象へ高めること--このことは絶対的な...